「落としましたよ」【デジタルプロフェッショナル学科】

今朝の通勤電車の中で、
「コンコロローン」という乾いた音が響きました。
何かが車内の床に落ちた音でした。
ほぼ間違いなく、少し離れて立っていた女性が、
空いた席に座るタイミングで「何か」を落としたようでした。
私の座っている2つくらい隣の座席の下に転がったようでしたが、
何か見えませんでした。

それからずっと私の心の中のもやもやが始まりました。

「落としましたよ」とつげるチャンスは、
比較的すいている今のうち、というのは気づいていました。
電車が混んできたら、少し離れていた女性の近くにたどり着くのは
難しくなります。
ただ、、、踏み切れませんでした。
私は座っていたのですが、立ち上がれませんでした。
突然のことで対応できませんでした。
「臆した」のです。

私の心の中で、
「きっと本人がどこかで気づいて拾うさ。」
「知らない人に声かけるの、気まずいな。
 無視されたらいやだし。」
「すぐ目の前にいる人が言ってあげればいいのに。
 落としたの気づいたでしょ?なんで見て見ぬふりするの?」
「あまり高価なものじゃないだろう。」
「落とすほうが悪いしね。」
など、自分を正当化する理屈が浮かんでは消えて行きましたが、
いっこうにもやもやは消えませんでした。

いつも通り電車は混んできて、前に立っている人で
女性は私の視界から消えました。
気づくと、いつの間にか女性は電車を降りており、
車内には「何か」が残り、私の中に何とも言えない気持ちが残りました。

「チャンスの女神に後ろ髪はない」

今日のにがい思いはずっと覚えておこうと思います。
(このブログは備忘録ですね。)
次のチャンスを逃してしまわないように。